【神奈川版】私立高校受験のオープン入試実施校

神奈川県の中学生の進学先は公立高校が約7割を占めており、公立高校による大学受験対策の強化や不景気に伴う学費の問題から公立人気がこの十数年で高まっています。一方で、内申点が奮わず希望の公立高校を受験できない、欠席日数が多くて推薦が取れない、私立中高一貫校なので担任が高校の事前相談に対応してくれないなど、何らかの理由で私立高校のオープン入試をメインに高校受験しなければならない生徒がいるのも現実です。

この記事では、高校受験で私立高校のオープン入試をメインにする生徒および保護者向けに、神奈川県内のオープン入試実施校とその状況をまとめました。

内申点が奮わない受験生が直面する課題

１．学力レベルに合った公立高校に受験できない

公立高校は合否判定において4～6割（都道府県・学校難易度により異なる）を内申点が影響します。そのため、主要3科目・5科目が得意な生徒であっても、その他教科で内申点が取れないと圧倒的に不利。一般模試で国立や難関私立高校で合格点を叩き出せる生徒であっても、公立ではランクを下げざるを得ないという状況が起こります。

２．単願推薦／併願推薦／併願優遇などが獲得も困難

各種推薦制度を利用する場合、ほとんどの私立高校が「5教科●●点以上 かつ 9教科●●点以上」という応募条件になっています。「かつ」なので5教科と9教科の両方の条件を満たしている必要があります。また、欠席・遅刻についても「中学3年間で●●日以下」という条件があるため、持病や思春期特有の一時的な体調不良が出てしまった場合は推薦基準を充たせません。

そこで、少しでも自身の実力と合致する高校に入るために検討するのが私立高校が実施しているオープン入試です。まずはどの学校でオープン入試を実施しているのか見てみましょう。

オープン入試実施校と2021年入試結果

募集定員が少ないけれど大丈夫？

毎年調査が行われている文部科学省の学校基本調査では、神奈川県の公立高校への進学率は65～70%、残りの約1/3の中学生が私立高校に進学します。上表のオープン入試実施校のうち、慶應義塾高校を除くと全ての学校で単願推薦と併願推薦（優遇）の募集があるので、その学校を第一志望や押さえ校とする生徒はオープン入試を受けません。つまり、オープン入試は持ち偏差値よりも上位校にチャレンジする受験生の競争になるので、募集定員が少なくても私立公開模試や過去問題集で合格レベルに達していれば十分に合格を勝ち取れます。

気になることは学校の個別相談で確認

オープン入試であっても一部の学校では調査書を重視する学校もあります。欠席・遅刻日数が多い、一部の教科で2以下の成績が付いてしまったなど、個別に事情がある場合は学校が開催する生徒・保護者向けの個別相談会で高校側に予め確認しておくことをお勧めします。出身校・生徒名を控えて出願時の補足情報として加味してくれたり、出願時の個別アドバイスをくれる学校も実際にあります。