【2021年版】明治大学のTEAP利用方式入試を徹底解説

【2021年版】明治大学のTEAP利用方式入試を徹底解説

明治大学は、ラグビー部や相撲部、野球部、サッカー部などを筆頭に、体育会運動部が強く、これらがメディア露出をしていたこともあり1990年代までは男臭いバンカラなイメージでした。しかし、時代が21世紀に入ると、明治大学が行ったブランド戦略に加え、男性アイドルや人気女優の入学によってバンカライメージは薄れ、人気大学ランキングでは常に上位のポジションを獲得する学校にイメージが一新されました。

前置きはさておき、前述のブランド戦略は、入学難易度でもMARCHを脱して早慶に並ぶ「早慶明」という地位を築くことを目標としていました。この戦略通りに事は運び、関東の私立大学では早慶に次ぐ入試難易度を誇るまでになりました。また、国立上位校や早慶上智との併願率も高いので倍率・合格最低得点も高く、第一志望で万全の対策を行っていても明治大学の門をくぐるのはとても難しいのが現実です。

この記事では、英語を得意科目とする受験生の中で、TEAPスコアを活用して明治大学を受験したいという生徒とその親御様向けに、TEAP(英語4技能試験)利用方式入試について徹底解説します。

※本記事は、2021年4月入学の入試要項を基に考察しています。

TEAP利用方式入試がある学部

商学部

1~2年生での基礎学習を踏まえて、3年次からの2年間は7つのコース(経済学、マーケティング、ファイナンス、会計、グローバルビジネス、マネジメント、起業など)から深く学びたい分野を選択して専門性を高めることができます。また、ビジネスの国際化に対応するため、語学教育も1・2年次の必修科目だけでなく、4年間を通してビジネスで通用する語学力習得を目指しています。

経営学部

2015年度の学部一括入試への移行に伴い、1年次を基礎学習と専門領域選択の検討期間とし、2年次から経営学科・会計学科・公共経営学科のいずれかに所属して専門性を深めて学んでいきます。また、ゼミ等のよる専門的な学びに加えて、留学プログラムやインターンシップ、フィールドワーク等によって実践的な能力が身に付けることができるのも経営学部の特長です。

国際日本学部

数ある国際系学部の中でも名前の通り「日本学」を中心としたユニークな学部です。学生の外国人比率20%、授業も30%は英語で行われ、少人数授業を主としているので、高いコミュニケーション能力を身に付けてられます。

一般受験とTEAP利用受験の比較(2020年実績)

商学部

TEAP利用方式の受験基準

2019年1月1日以降に受験したTEAP(CBT不可)において225点以上のスコア(異なる実施回の各技能スコアを組み合わせることはできません)を出願締め切り日までに提出。

TEAP利用方式と学部別入試の違い

TEAP利用方式も学部別入試も両方とも3教科受験になります。

試験方式英語国語地歴・公民・数学(うち高得点の1教科)満点
TEAP利用方式300点150点100点550点
学部別入試200点150点100点450点

「TEAP利用=英語が得意」ということなので英語の配点が1.5倍になり、全体に占める英語の割合で見ても「TEAP利用:55%、学部別入試:44%」と10%超の差が出るため、その他の教科でミスしてしまった場合にも英語の得点でカバーすることができます。なお、両方式を併願出願が可能です。英語問題は両方式とも同じなので、得点率で各配点に換算されます。

2020年度入試実績データ

試験方式河合塾
2021年
予想偏差値
定員受験者数合格者数倍率合格最低得点合格最低得点率
TEAP利用方式62.5157711017.6倍40974.4%
学部別入試62.54856,9041,2765.4倍25372.3%

最新の入試実績データを見てみると、合格最低得点率では両方式の差が約2%しかありません。そのため、英語のウェイトが10%上がっても最低得点率でメリットを得られない、むしろ英語でミスしてしまったら学部別入試よりもTEAP利用が不利になってしまいます。

結論としては、商学部のTEAP利用方式の受験ポイントは下記2点となります。

  1. TEAP利用方式のメリットは薄い
  2. TEAP利用方式で受験する場合は、学部別入試も併願して保険をかける

経営学部

TEAP利用方式の受験基準

経営学部では、下表のTEAPスコアの基準を満たすことで、「英語試験免除+その他の受験科目への得点加算」というメリットを享受することができます。

TEAPスコア(CBT不可)試験免除得点加算
290点以上
(各技能70点以上が条件)
英語試験免除なし
340点以上
(各技能80点以上が条件)
英語試験免除他科目に20点加算
390点以上
(各技能90点以上が条件)
英語試験免除他科目に30点加算

TEAP利用方式と学部別入試の違い

試験方式英語国語地歴・公民・数学(うち高得点の1教科)満点
TEAP利用方式試験免除
(加算分30点が別枠)
100点100点230点
学部別入試150点100点100点350点

TEAP利用方式が受験可能になる基準スコア「290点」を超えて出願したのでは、340点以上の受験者と20点以上の差が最初から付けられているということになります。

ところが、TEAPで340点以上のスコアを英検に換算すると準1級~1級レベルなので、高校3年生でこのレベルに達している生徒はかなりの上位層ということになるので、290点を超えてTEAP利用方式で受験できるなら積極的にチャレンジするべきでしょう。このことは、次に紹介する入試実績データからも読み取れます。

2020年度入試実績データ

試験方式河合塾
2021年
予想偏差値
定員受験者数合格者数倍率合格最低得点合格最低得点率
TEAP利用方式65.040232972.4倍11951.7%
学部別入試65.03425,4721,4463.8倍21260.6%

TEAP利用方式は合格最低得点率は230点満点で計算されているため、実質的な合格最低得点率は学部別入試と同じ60%と考えていいでしょう。なら、どちらの方式で受験しても同じじゃないかと思われますが、TEAP利用方式のメリットがあります。

河合塾偏差値で上智大学経済学部・慶応義塾大学商学部と同水準、慶應義塾大学経済学部から2.5ポイント落ちなので、これらの学校や東京大学・一橋大学などの国立上位校や早稲田大学政治経済学部の受験生が併願してくるのでかなりハイレベルな争いになることが予想されます。一方で、国立上位校・早慶上智に合格した受験生は非常に高い割合で入学辞退するため、受験者数が少ないTEAP利用方式の方が学部別入試よりも繰り上げ合格になる可能性が高いと考えられます。そのことが合格倍率の差から読み取れるので、TEAPスコア290点以上であれば積極的に出願することをお勧めします。また、英語試験免除で残り2教科に絞って対策できるメリットがあるので、明治大学を抑え校として受験する学生よりも高得点を取るチャンスは十分にあります。

国際日本学部

TEAP利用方式の受験基準

2019年1月1日以降に受験したTEAP(CBT不可)において309点以上のスコア(異なる実施回の各技能スコアを組み合わせることはできません)を出願締め切り日までに提出。英語試験は免除。

TEAP利用方式と学部別入試の違い

試験方式英語国語地歴・公民(うち高得点の1教科)満点
TEAP利用方式試験免除150点100点250点
学部別入試200点150点100点450点

国際系学部で外国人比率も20%と高いことからTEAPスコアも非常に高い得点が求められますが、英語試験免除というとても大きなメリットが得られます。

2020年度入試実績データ

試験方式河合塾
2021年
予想偏差値
定員受験者数合格者数倍率合格最低得点合格最低得点率
TEAP利用方式62.51006974171.7倍15662.4%
学部別入試62.51302,5925954.4倍33273.8%

学部別入試では、合格最低得点率と倍率が高いことから偏差値以上にレベルの高い受験生が受けていることが伺えます。一方、TEAP利用方式の募集定員が他の学部よりも多く、合格最低得点率と倍率とも学部別入試よりも低いことから活用するメリットが十分にあると言えます。

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