進学方針から決める!返戻率100%以上の学資保険を徹底比較

進学方針から決める!返戻率100%以上の学資保険を徹底比較

子どもの誕生と同時に、中学・高校・大学などの将来的な学費に備えて学資保険の加入を検討する方が多いことと思います。学資保険は、各生命保険会社ごとに返戻率や保障内容が異なるので、いったいどの保険商品に加入すれば損しないのかよく分からないですよね?

この記事では、各ご家庭の進学方針に合わせて、中学受験・高校受験・大学受験の教育資金に対応できる商品を中心に、支払った保険料合計よりも将来受け取る保険金合計の方が多くなる返戻率100%以上の保険商品(2020年10月現在)を徹底比較します。

返戻率とは?

学資保険の返戻率とは、支払う保険料総額に対して、将来受け取る保険金総額(お祝金、満期保険金など)が多いか少ないかを表す数字です。100%を超えると支払った保険料以上で保険金が受け取れるということになります。

返戻率の計算式

返戻率の計算はとても単純で、以下の計算式で求めることができます。

【返戻率】=(将来受け取る保険金総額)÷(支払う保険料総額)× 100

返戻率はなぜ違う

2010年頃までは「学資保険 = 貯蓄」という商品設計をされていたため、ほとんどの保険会社が返戻率が100%を超える商品を販売していました。保険会社は、契約者から預かった保険料を金融市場で運用して、保険金支払い時期までに金利と同じようにお金を増やして契約者に戻す仕組みで運用していました。ところが、リーマンショックや東日本大震災などによる金融市場の不透明性が影響し、契約時の返戻率で保険金を支払うと保険会社の利益がなくなってしまう逆ザヤ状態になってしまったため、返戻率100%未満ですが保険本来の保障部分を手厚くした商品も販売されるようになりました。

なので、「返戻率100%未満 = 損をする」という訳ではありません。返戻率が100%未満の商品は、契約者が死亡した場合に養育年金が支払われるものや入院給付金・手術給付金が支給されるなど、貯蓄性だけに偏らず、医療保険の役割も加えたバランスのよい商品として販売されています。医療保険に未加入という方は、個別に加入するよりも学資保険にまとめた方が保険料を節約できる場合もありますので、返戻率だけに注目せずに加入中の保険の保障内容も含めて比較検討してみてください。

返戻率100%以上の商品がある保険会社

2008年のリーマンショック以前は返戻率110%を超えるような商品もありましたが、各社の学資保険を調査(2020年10月現在)したところ、返戻率が100%以上の商品を提供しているのは、以下の4社でした。

  • ソニー生命保険
  • 日本生命保険
  • 明治安田生命保険
  • フコク生命(富国生命保険)

今回は、将来の教育資金として貯蓄性を重視して比較するので、上記4社のみの返戻率と商品性で比較します。

学資保険の商品比較表

払込み期間について

学資保険の保険料の払込み期間は、お子様が10歳~18歳になるまでが一般的です。今回の比較では、小学校高学年からは塾などによって教育費の負担が増えるため、その前までに学資保険の払込みを終わらせ、毎月の保険料支払いが生活の負担にならないように10歳もしくは11歳で設定しています。

中学校の進学先から選ぶ場合

ご両親の両方、もしくは、どちらかが中学受験を経験されて中高一貫校に通われていた場合、自分の子どもにも同じような環境で育ってもらいたいと考えるのが親心ですよね。また、両親とも中学受験を経験されていなくても中学受験する割合が高い地域の場合は将来的に検討する可能性もあるため、誕生と同時に子どもの進学方針はご夫婦で話し合い、中学受験をする/しないは早めに決めておくことをお勧めします。

中学受験を目標とした場合の商品比較

返戻率/保障項目ソニー生命フコク生命
商品名/プラン学資保険
Ⅰ型
みらいのつばさ
S型
受取保険金総額208万円210万円
返戻率100.5%101.2%
払込期間10歳11歳
保険料払込免除
受取年齢:受取保険金額12歳:39万円
15歳:39万円
18歳:130万円
幼稚園:5万円
小学校入学:5万円
中学校入学:10万円
高校入学:10万円
大学入学:70万円
成人:10万円
満期(22歳):100万円
保険料
(月払い)
17,238円15,186円
試算条件:契約者(男性・30歳)、被保険者(子・0歳)

中学受験するなら「ソニー生命」

4社の中では返戻率だけだと見劣りしますが、保険料払込みの終了後から最初の保険金受取りまでの期間が短く、かつ、受取り保険金額も他社より大きいことを考えると貯蓄性が高い商品と言えます。

受取り保険金総額を208万円で設定した場合、中学入学と高校入学の時点でそれぞれ39万円が受け取れるため、中学受験で必要になる受検料や入学金に充てることができます。また、中高一貫校に入学後も高校進学時に再度入学金が必要になる場合や高校で制服や指定カバン等を買い替えるなどの一時的な出費が伴うため、その点も充分に考慮されている商品と言えるでしょう。なお、中学受験をされなかった場合も高校入学時にもまとまったお金が受け取れるので、中学受験・高校受験のどちらのパターンでも対応できます。

また、大学進学時に満期で130万円が一括で支給されるため、私立大学進学や地元から離れた大学進学時の準備金(引越し費用、一人暮らしの敷金・礼金など)が想定される場合に、ソニー生命の学資保険は頼もしい商品と言えるでしょう。

公立中学進学なら「フコク生命」

幼稚園入園から始まり、子どもの進学の都度祝い金が一時金が支給されます。大学入学時点と満期以外は、金額は大きいくはないので入学準備に掛かる準備金としての意味合いが強くなっています。子どもの各イベントの費用負担を軽減しつつ、メインの出費を大学進学・卒業時とした場合に、バランスの取れた商品です。

大学の学費負担軽減から選ぶ

私立大学の学費

区分入学金授業料設備費等年間費用
(入学金除く)
文科系学部229,997円785,581円151,344円936,925円
理科系学部254,309円1,105,616円185,038円1,290,654円
医歯系学部1,073,083円2,867,802円881,509円3,749,311円
その他学部258,747円958,445円234,644円1,193,089円
※出典:文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金
平均額(定員1人当たり)の調査結果について

国立・公立大学に進学した場合は入学金を除く年間授業料は60万円弱になりますが、私立大学の場合は上表の通り文系で100万円弱、理系なら約130万円が必要になります。

大学の学費負担軽減を目的とした商品比較

返戻率/保障項目ソニー生命富国生命日本生命明治安田生命
商品名/プラン学資保険
Ⅲ型
みらいのつばさ
J型
ニッセイ学資保険
こども祝い金なし型
つみたて学資
受取保険金総額200万円200万円210万円200万円
返戻率105.5%105.5%104.9%104.7%
払込期間10歳11歳10歳10歳
保険料払込免除
受取年齢:受取保険金額18歳:40万円
19歳:40万円
20歳:40万円
21歳:40万円
22歳:40万円
18歳:100万円
22歳:100万円
17歳:70万円
18歳:35万円
19歳:35万円
20歳:35万円
21歳:35万円
18歳:50万円
19歳:50万円
20歳:50万円
21歳:50万円
保険料
(月払い)
15,788円14,354円16,667円15,910円
試算条件:契約者(男性・30歳)、被保険者(子・0歳)

返戻率の高さは毎月の保険料にも直結するので、月々の負担を減らして大きな保険金を受け取るのであればソニー生命になります。ところが、大学進学には受検料や入学金といった一時的な出費も伴うため、この点を意識した場合は17歳時点での受取り保険金額が高い日本生命の商品も非常に魅力的です。

その他の商品も返戻率に大きな差はありませんので、各家庭の進路プランや貯蓄方針などに合わせて保険金の受け取り方が合致するものを選ぶと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?学資保険選びのポイントは、各ご家庭の進学方針と貯蓄プランによって異なります。返戻率だけに注目せずに、保険金の受け取るタイミングやその時点の金額と、それぞれの貯蓄方針と組み合わせて最適な学資保険を見つけてくださいね。

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