あなたは大丈夫?「干渉」が子どもの自立を遅らせる

あなたは大丈夫?「干渉」が子どもの自立を遅らせる

子どもの行動を先回りして指示や手出しして、親子喧嘩になっていたりしていませんか?実はこの親の行動によって子どもの自立や思考力を奪ってしまっている可能性があります。本記事では、中学に入り不登校になった子どもを持つ経験から、「保護」と「干渉」の違い、パートナーが過干渉をやめられなかった時に実践した対応策をご紹介します。

「保護」と「干渉」の違いを知る

保護

子どもが望むことをしてあげることです。可愛い子どもを失敗させたくない、辛い思いはさせたくないという思いから、求められたものを全てを与えることが保護です。

干渉

望まないことも親が必要と思ったら全て子どもにやらせる(禁止する、従わせる)ことです。保護との違いは子どもの意思の有無で、干渉では子どもの気持ちが一切無視されています。


どちらも子どもに対する愛情から生まれる行動ですが、子どもが望まないことは任せるスタンスの「保護」と親の思い通りに子どもを行動させたい(コントロールしたい)という「干渉」では大きな違いがあります。干渉の問題点は、子どもを意思のある一個人として見ずに親と同じ(あるいは一部)と考えていること。母親の場合は、10か月間もお腹の中で大事に育てたので自分の一部として認識してしまうのは仕方がないことかもしれません。

「過干渉」がもたらす子どもへの問題点

「過保護」の場合は、親の行動によって子ども自身の欲求が満たされることで親からの愛情を感じ、子どもが必要性を感じなくなった時期に自ら自立していくことが多いようです。一方、「過干渉」された子どもは、物心がつくと自分の自由が奪われていると感じて親に対して反抗心や憎悪を抱くことに繋がるとも言われています。

欲しい物を何でも買い与えてしまうような過保護は悪影響を及ぼすと思われますが、「過保護」は一概に悪い面だけではない、過干渉は子どものためにならないと言えそうです。では、具体的に過干渉により子どもにどのような影響が出るのでしょうか?

自尊心が育たない

子どもは失敗を乗り越えて成功体験を積むことで自信を付けていきます。親が失敗しないように何でも先回りして対応してしまうことで、このような経験をする機会が失われ、周囲との差を感じた際に自信が持てなくなってしまう可能性があります。また、過干渉の場合は親から褒められずに注意・指摘ばかりされて育つので、劣等感が意識にすり込まれてしまい、そもそも自信を持てない性格になってしまう恐れもあります。

自己主張が苦手になる

過干渉を受けている場合、周囲との交渉は全て親がやってしまいます。予め用意された言葉を話すだけに慣れてしまっているので、自分の考えを伝えるということが苦手になってしまう傾向があるようです。

他人への思いやりがなくなる

過干渉の環境で育てられると、前述のとおり子ども自身が劣等感を持つようになり、自分自身を大切にする気持ちが薄れてしまいます。そのため、他人に対しても相手の気持ちを大切にしようという気持ちを抱かなくなってしまいます。不登校や家に引きこもるようになってしまった場合は、他人とのリアルな交流機会が減少するため更に深刻な状況になることが懸念されます。また、最近ではオンラインゲームやSNSなどを通した非対面での交流も若年層を中心に頻繁に行われていますので、親の気付かないところで相手を傷つけていたりトラブルになっていることも考えられます。

「過干渉」を止める一つの手段

何とか子どもを改善に導きたいと思っていても「パートナーが子どもに対して干渉を止めてくれない。」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?自分自身もこのように悩み、パートナーと喧嘩することが多々ありました。本人も意識はしているけれども、どうしても感情をコントロールすることができず、子どもと喧嘩・対立して家の雰囲気も悪化してしまいます。

このような状態の場合、もう改善策がないと諦めてしまうかもしれませんが、もしあなたが子どもと会話できる信頼関係を築けているなら打開できるかもしれません。「子どもを変えるよりも自分が変わりましょう」と書かれている本やネット記事は多くありますが、私自身が実践したのは「子どもを協力者にする」ということ。

私のパートナーは極端に自己肯定感が低い性格でした。子どもの反抗期や不登校などによって自分の子育てが良くなかったと深く傷つき、全てのことに対して負のスパイラルに陥ってしまいました。それによって子どもへの干渉はエスカレートし、親子の対立も深まるばかり。夫婦間でも行動を変えようとアドバイスするも馬耳東風の状態。

そこで、実践したのが逆に子どもを巻き込むという戦法です。子どもは干渉に反抗することにエネルギーを使っていますが、決して親を憎んでいる訳ではありません。何十年と生きてきた大人が変わるよりも、子供の方が若くて柔軟性があるので協力してくれる可能性が高い場合があります。まずは「お父さん/お母さんが笑顔にならないと家の雰囲気は良くならないよね。どうしたらいいと思う?」と相談してみましょう。

我が家の場合は、前述のようにパートナーの自己肯定感が低いので、毎日1回でいいから相手を褒めようという目標を立てました。行動目標が決まったら、「今日はこんなことを言ってみた。」「どんな表情をしてた?」など、子どもと毎日進捗を確認。パートナー側も突っぱねられるだけだった子どもの反応が変化したことで、会話が生まれ、感情もポジティブに。徐々に親子の会話も増えて表情も明るくなりました。

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