【反抗期】子どもとの会話を取り戻す5つの方法

【反抗期】子どもとの会話を取り戻す5つの方法

子どもが成長するに従って反抗期を迎え、「幼い頃は親の言うことを素直に聞いてくれていたのに…」と思い悩む親御さんは多いのではないでしょうか。特に母親からすると、自分のお腹の中で育てて天使のように産まれてきた訳なので、反抗的な態度を取られると父親以上に悲しくなるものと思います。

今回の記事では、ネット依存症(含むネットゲーム)で不登校に陥った反抗期中学男子と向き合った経験を基に、反抗期でコミュニケーションが取りづらくなった子どもとの関係を改善する話し方のコツをご紹介します。

はじめに、世代の違いを理解する

母親にありがちな固定概念なのですが、「親が子どもの頃にできていたことは、我が子にも当然にできるはず」と考えてしまっていませんか?母親は自分のお腹の中で約10か月間以上も子どもを育てていたのですから、我が子を自分の分身として意識してしまうことは仕方がないこと。けれども、親の子ども時代と現代の我が子では20~30年以上の世代間格差があり、社会環境や学校の教育方針なども全く違うことを忘れてはいけません。

例えば、昭和から平成初期までの教育現場では「男子の色は青、女子は赤」「ランドセルは、男子が黒、女子は赤」「男なんだから泣くな」のように男女の性別を明確に区別する刷り込みが普通にされていました。現代の教育現場では、ランドセルの色は各自の自由、出席番号も男女区別なしの通し番号、男子を「君」付けで呼ばずに全員が「さん」付けというように多様性を受容する教育に移行しています。また、社会環境での大きな違いは、やはり情報端末です。物心ついた時からスマートフォンでYoutubeなどの動画サイトに触れている世代と、最初に携帯したのがポケットベルという世代では、価値観や情報感度は当然ながら異なります。

この「世代間格差」を前提として理解しておくことで、子どもが自分の思った通りに行動してくれない場合にも「世代が違うのね」と心のどこかで理由を作って自分を責めて悩む心を少し軽減できます。

話し方のコツ

パーソナルエリアに入らない

反抗期は、独立心と依存心が共存する時期です。特に思春期になると親とは付かず離れずの微妙な距離感を保ちたいと考えているもの。子ども部屋に勝手に入って机やクローゼットを整理したり、学校のことを話してくれないからといって質問をしつこくするのは逆効果を及ぼします。精神的にも物理的にも子どものパーソナルエリアを察してあげること。

パーソナルエリアは4つに分類され、家族・恋人などの信頼できる相手への距離である密接距離(45cm未満)、友人やクラスメイトなど仲の良い人と接する個体距離(45cm~120cm未満)、その他に社会距離・公共距離となっています。赤ちゃんの頃から密接距離で接してきているので難しいとは思いますが、意識的に個体距離を取って会話するようにしましょう。無理矢理にパーソナルエリアに入らず、一定の物理的距離を保つことで子どもとの信頼関係が再構築され、ガードが徐々に緩んでコミュニケーションも促進されていきます。

声のボリュームを低くする

普段からアレコレと親から指摘されている子どもの立場からすると、親の声が大きいだけで怒られたり、嫌なことを指摘されている気持ちになってしまいます。声の大きさやトーンは自分ではなかなか気づくことができません。気が付かないからこそ本人にも改善しようという意識が生まれないものです。一方で、ハキハキと大きな声で話した方が相手に伝わるものと意識的に話している場合は、無意識な方よりもすぐに改善できると思います。

ゆっくりと話す

子どもに反抗的な態度を取られると、ついついカッとなってしまい怒り口調で話すスピードが速くなってしまいますよね。子どもの態度にイライラして怒りの感情が湧いてくると、人間も野生動物と同じく防衛本能から「相手に襲い掛かる」もしくは「逃げる」のどちらかの行動を取ります。この前者の「襲い掛かる」にスイッチが入った場合に早口で攻撃している状態となりますが、これは動物の本能によるものなので悪いものではありません。意識的にゆっくりと話すようにすれば、子どもからも耳を塞がれることなく話を聞いて貰えるようになるでしょう。

ほめる/スルーする

前述の通り、反抗期は独立心と依存心が共存している状態なので、子どもができたことに対してはほめる(報酬を与える)、逆に親から見て望ましくない行動を取っている時には注意せずにスルーする(報酬を与えない)のが最適です。

「黙ってみているだけでは無責任に放っておくことになってしまうのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、子ども側からすると親の注意に反発することが張り合いとして報酬になってしまうのです。依存心に対して無視(スルー)されることは実は一番辛いことなので、罪悪感は持たずに実践してみてください。

子どもが喜ぶことをする

親子の会話が成立しなくなり、お互いのイライラが募ると家庭内の雰囲気は最悪なものになってしまいます。親からしても「もうこんな家は出ていきたい」と思うくらいまで気分が落ち込んでしまうこともあるのではないでしょうか?でも、そのような状態でも子どもに愛情を注ぎ続けることは止めないでください。どんなに嫌いな相手でもどちらか一方が好意を寄せていれば、相手もいつかは好意的な態度を取ってくれるものです。ましてや子どもの場合は、親への依存心があるので、それを壊さないように「どうしたら笑顔になるかな?」とあれこれ考えて試してみると良いでしょう。

まとめ

子どもと衝突して「自分の育て方が悪かったのか?」と悩まれている方も多いかと思いますが、反抗期や不登校、引きこもりなどは子どもが大人になるためのステップの一つ。親が無関心にならなければ親子関係が必ず改善します。「現状を乗り越えたら自分の子どもは強くなれる」、数年後には「あんな時期もあったねと笑って話せるようになる」といった具合に目の前の問題に一喜一憂せずに長い目で見守っていくことをお勧めします。

親子関係カテゴリの最新記事