「英語だけはどうしても苦手!」という受験生の中には、泣く泣く行きたい大学よりランクを下げて受験したなんて学生もいるのではないでしょうか?
大学受験に英語は必須という学校が多い中、試験科目に英語を含まない(選択しなくてもよい)大学・学部・学科も全国にはたくさんあります。しかしながら、関西地区で人気の大学の入試方式を調べたところ、文系では近畿大学だけしかありませんでした。「得意科目=本人の特性」として合否判定してくれる学校なので、入学したらきっと充実した大学生活が待っているはず。是非チャレンジしてみてください。
今回の記事では、近畿大学の文系学部において、英語なしで合格判定してくれる学部・学科に絞って入試方式と2020年度入試結果データの傾向を併せて解説します。
近畿大学で英語以外の得意科目で合否判定する試験方式と学部・学科の一覧
試験方式・試験科目
学部・学科 | 試験方式 | 受験教科 |
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法学部 | 後期試験 | 3教科受験(高得点の2教科200点満点で採点) ・国語(国語総合・現代文B・古典B、漢文を除く)【必須】 ・外国語(英語)【必須】 ・地理歴史(世界史B、日本史B、地理B)、政経、数学(数I、数A、数II、数B)から1科目を選択 配点は各100点(200点満点) |
経済学部 | ||
経営学部 | ||
文芸学部 | ||
造形芸術学科 | ||
総合社会学部 |
近畿大学の一般入試方式
一般入試は日程ごとに前期(A日程:1月下旬/B日程:2月上旬)・後期(3月上旬)に分かれています。前期日程は、必須科目「外国語・国語」に加えて、選択1科目の合計3科目300点満点で判定され、高得点科目重視方式を選択した場合は最高得点の科目た2倍になります。一方、後期日程は、前期と同じく3科目受験が必須ですが、高得点の2科目で判定されるので英語が苦手もしくは大きなミスをしてしまった場合にもその他の2科目でカバーすることができます。
2020年入試結果データ
学部・学科 | 河合塾偏差値 | 受験者数 | 募集定員 | 合格者数 | 3/8合格最低点(倍率) | 3/9合格最低点(倍率) |
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法学部 法律学科 | 55.0 | 791 | 34 | 132 | 140(5.6倍) | 154(5.9倍) |
経済学部 | ||||||
経済学科 | 55.0 | 829 | 30 | 62 | 159(13.7倍) | 159(13.0倍) |
国際経済学科 | 52.5 | 394 | 11 | 37 | 146(11.1倍) | 157(10.3倍) |
総合経済政策学科 | 52.5 | 312 | 11 | 37 | 141(8.6倍) | 156(8.2倍) |
経営学部 | ||||||
経営学科 | 55.0 | 726 | 38 | 77 | 144(9.4倍) | 153(9.5倍) |
商学科 | 55.0 | 1,031 | 36 | 196 | 139(5.3倍) | 149(5.2倍) |
会計学科 | 55.0 | 459 | 12 | 78 | 137(6.3倍) | 151(5.5倍) |
キャリア・マネジメント学科 | 55.0 | 475 | 12 | 36 | 149(13.7倍) | 159(12.7倍) |
文芸学部 | ||||||
日本文学専攻 創作・評論コース | 55.0 | 102 | 7 | 12 | 146(9.3倍) | 158(8.7倍) |
言語・文学コース | 55.0 | 130 | 14 | 151(9.7倍) | 158(8.9倍) | |
英語英米文学専攻 | 52.5 | 94 | 5 | 12 | 148(9.5倍) | 154(7.2倍) |
舞台芸術専攻 | 52.5 | 60 | 2 | 4 | 149(30.0倍) | 152(10.0倍) |
造形芸術専攻 | 52.5 | 39 | 3 | 3 | 165(20.0倍) | 151(9.5倍) |
文化・歴史学科 | 55.0 | 205 | 10 | 17 | 156(11.4倍) | 168(13.0倍) |
文化デザイン学科 | 55.0 | 125 | 5 | 15 | 146(8.4倍) | 154(8.3倍) |
総合社会学部 | ||||||
社会・マスメディア系専攻 | 55.0 | 327 | 16 | 50 | 144(6.5倍) | 153(6.5倍) |
心理系専攻 | 57.5 | 251 | 9 | 28 | 149(8.8倍) | 153(9.2倍) |
環境・まちづくり専攻 | 55.0 | 226 | 9 | 31 | 144(7.7倍) | 150(6.9倍) |
前期A日程・B日程との違い
前期日程と後期日程の倍率や合格最低得点率を比較したところ、2教科で得意科目重視になる後期日程の方が合格最低得点率はいずれの学部・学科でも70%以上が必要になります。しかしながら、募集定員が少なく設定されていますが、実際にはその2~3倍の合格者を出しているため、競争率(倍率)で見ればメイン入試のA日程とは大きな違いがありません。
必須科目「国語」の傾向
後期日程の「国語」は、過去3年間(2018年~2020年)において下記の問題構成から全く変更がありません。解答方式はマークシートなので記述問題がないことがポイントです。
- 大問1:評論文・・・13問(40点)
- 大問2:古文・・・8問(30点)
- 大問3:評論文・小説・随筆・・・8問(30点)
大問1では、最初の小問1~5までの5問(各2点・合計10点)は必ず漢字問題となっています。合格最低得点率が70%を超える戦いになるので、この部分で点数を落とすと合否を分けることになりかねません。この部分では、確実に得点を稼ぐように心がけましょう。
大問1と大問3の文章問題は、それぞれ大問1が5,000文字前後、大問3は4,000文字前後の長さになります。下線部の意図を問う問題や筆者の意見の要約を選択させる設問が大半を占めており、各配点も3点もしくは4点になっています。全体的に難易度は高くないため、問題を読んでから文章を読み始めれば確実に得点に繋げられます。また、前期日程と難易度や問題構成も同じなので、事前の対策と全日程を受験することで問題にも慣れてくれば、より一層合格に近くなると思います。
なお、近畿大学では、入試専用サイトで「近大必勝塾」として各科目ごとに問題の傾向を動画で説明していますので、こちらも必ず確認しておきましょう。