明治大学の附属高校は東京都に3校あり、東京都調布市に明治大学付属明治高校(以下、明大明治)、東京都中野区に明治大学付属中野高校(以下、明大中野)、そして東京都八王子市に明治大学付属中野八王子高校(明中八王子)があります。明大明治は学校法人明治大学の直系付属校、明大中野と明中八王子は学校法人中野学園がそれぞれ運営しています。この部分が各校の校章に反映されていて、明大明治が明治大学と同じMのモチーフなのに対して、明大中野と明大中野八王子は桜をモチーフにしたものになっています。ただ、学校法人中野学園は戦後間もない時期から明治大学の付属となっており、長い年月と生徒のレベルもあまり差がないことから明治大学の内部進学において明大明治との違いは一切ありません。
40年以上ぶりに新規の系属校が誕生!
現在、日本学園中学・高校(東京都世田谷区・最寄り駅は京王井の頭線明大前駅)として運営されている学校法人日本学園が2026年4月1日から新規に系属校化され、明治大学付属世田谷中学・高等校となります。また、現在は男子校ですが、系属校化と同時に共学化されます。この年に高校から入学した生徒が初めて卒業する2029年度から他の系属校と同様に明治大学への推薦入学が行われます。青山学院横浜英和の例と同様に、当初は日本学園中学から入学した学生と混在する期間があるため、2029年度から段階的に明治大学への推薦枠が増えると予想されます。
明治大学への内部推薦制度
明治大学付属明治高校
高校3年間の学習成績と人物・適性・志望理由に基づいて明治大学に推薦され、以下の基準が設けられています。
- 履修・修得単位数の下限や推薦行動評価が「良」以上であり、60点以上の推薦成績であること。
- 英検やTOEICのスコアや高大連携講座の成績、小論文の評価も点数化され評価されます。具体的には、英検二級以上・TOEIC450点以上の両方の取得が推薦基準において必要となり、取得出来なかった場合には推薦基準が70点になる。
- 推薦入学試験は、書類選考および面接により実施。
- 成績順で志望学部学科に行ける。
明治大学付属中野高校/明治大学付属中野八王子高校
高校3年間の各学年での学年末総合評価を「高1:高2:高3=2:3:4」の比率で換算し、3年間の総合成績を算出して内部推薦が決定します。明治大学推薦テストが2年次1回、3年次2回実施され、成績に加算されます。
他大受験について
国公立大学併願制度があり、明治大学への推薦入学資格を保持したまま、全国の国公立大学および省庁所管の7つの大学校(防衛大学校/防衛医科大学校/気象大学校/水産大学校/海上保安大学校/職業能力開発総合大学校/国立看護大学校)の一般受験に挑戦することができます。
附属高校比較表
学校名 | 明治大学明治高校 | 明治大学中野高校 | 明治大学中野八王子高校 |
所在地 | 東京都調布市 | 東京都中野区 | 東京都八王子市 |
偏差値 | 男子73|女子73 | 70 | 69 |
募集定員 | 推薦入試 ・男子 約20名 ・女子 約20名 一般入試 ・男子 30名 ・女子 30名 | 一般入試 135名 | 推薦入試 75名 一般入試 75名 C思考力入試 10名 |
併設中学 | あり 高入比率 40% | あり 高入比率 35% | あり 高入比率 47% |
1学年の人数 | 約260名 | 約400名 | 約320名 |
比率(男:女) | 1:1 | 男子校 | 1:1 |
内部進学率 | 90.3% | 81.6% | 90.2% |
2021年 他大合格実績 国公立大学 | 一橋 1名 筑波 1名 北海道 1名 東京外語 1名 東京農工 2名 電気通信 1名 東京都立 3名 横浜国立 1名 横浜市立 1名 埼玉 1名 | 東京 2名 東工大 1名 一橋 1名 北海道 1名 東北 1名 横浜国立 1名 横浜市立 1名 防衛大学校 1名 | 東京外語 1名 電気通信 1名 横浜国立 1名 |
私立大学 | 早稲田 5名 慶應 12名 上智 3名 東京理科 2名 東京医科 2名 北里 1名 女子美術 1名 武蔵野美 2名 多摩美 1名 | 早稲田 8名 慶應 10名 上智 1名 東京理科 13名 明治 7名 青山学院 4名 立教 3名 中央 3名 法政 4名 学習院 1名 明治薬科 3名 東京薬科 1名 昭和薬科 1名 | 明治 2名 東京理科 2名 埼玉医科 1名 東京薬科 1名 日本獣医生命 1名 日本歯科 1名 東京農業 4名 順天堂 1名 日本大 5名 多摩美術 1名 酪農学園 1名 |
指定校推薦 | – | 慶應 3名 東京理科 8名 青山学院 1名 成蹊 1名 日本大 5名 東京都市 16名 昭和薬科 1名 | 東京理科 東京薬科 昭和薬科 明治薬科 成城 日本赤十字看護 日本大 |
※偏差値は市進学院の偏差値一覧より引用
明治大学の附属校は、昨今の附属校人気により非常に難化しており、いずれも中学・高校とも入学時の偏差値が高くなっています。早慶附属が残念ながら不合格になった生徒が大半を占めると考えられ、進学校に通っていれば大学で早慶を充分に狙えるレベルの生徒が通っていると言えるでしょう。そのため、明大明治と明大中野は、他大への進学実績も高い実績を残しています。また、明大中野は東京理科大学に指定校推薦枠を8名も保有していて、かつ、真面目にコツコツと好成績を出す女子もいないため、理系に進学を希望しているのならば明大中野は狙い目かもしれません。
勿論、学校側は他大受験の特別授業などは実施してくれませんので自力で頑張るしかありませんが、これだけ他大受験が多いのであれば成績上位者は高3は受験モードになるので国公立大学併願制度を利用してチャレンジする価値はあるかもしれません。