2020年9月1日にインシュアテックを活用した保険スタートアップである株式会社justInCase（少額短期保険会社）が新しい健康増進型医療保険「歩くとおトク保険」の発売を開始しました。スマートフォンにアプリをダウンロードして毎日の歩数を計測すれば歩数に応じて保険料が割引になるという商品ですが、これまでも似たような医療保険をCMなどでもよく目にしてきましたよね。
ということで、この度のjustInCase社の「歩くとおトク保険」と東京海上日動あんしん生命が販売している健康増進型医療保険「あるく保険」、そして同じく還付金がある全労済の医療共済「総合医療共済 定期医療プラン」の3商品を同一保障内容で並べて比較してみました。
各保険商品の概要
株式会社justInCase｜歩くとおトク保険
保険の特長
- 歩く歩数とBMIの改善度合いで毎月の保険料を割引
- 保険金は1泊以上の入院・手術により一時金として一括で受け取れる
- ネット完結型なので保険会社の運営コストが低く、保険料もそもそも割安
- 保障がシンプルで分かりやすい
保険料例
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18～19歳 | 1,360円 | 1,490円 |
| 20～24歳 | 1,400円 | 1,650円 |
| 25～29歳 | 1,460円 | 2,000円 |
| 30～34歳 | 1,540円 | 2,110円 |
| 35～39歳 | 1,690円 | 2,020円 |
| 40～44歳 | 1,900円 | 2,050円 |
| 45～49歳 | 2,120円 | 2,190円 |
| 50～54歳 | 2,400円 | 2,440円 |
| 55～59歳 | 2,770円 | 2,730円 |
| 60～64歳 | 3,180円 | 3,110円 |
| 65～69歳 | 3,680円 | 3,530円 |
| 70～74歳 | 4,380円 | 4,050円 |
東京海上日動あんしん生命｜あるく保険
保険の特長
- たくさん歩いた人に保険料をキャッシュバック（健康増進還付金）
- 4日以内の入院でも入院給付金が受け取れる
- 保障は一生涯（終身）
保険料例（入院給付金日額 5,000円タイプ）
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 30歳 | 1,540円 | 1,560円 |
| 40歳 | 2,035円 | 1,815円 |
| 50歳 | 2,915円 | 2,385円 |
全労済｜総合医療共済 定期医療プラン
保険の特長
- 基本保障に必要な分だけ各種特約を組み合わせができる
- ライフスタイルに合わせて終身型と定期型が選べる
保険料例
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 30歳 | 1,170円 | 1,455円 |
| 40歳 | 1,670円 | 1,635円 |
| 50歳 | 2,865円 | 2,115円 |
保障内容と保険料の比較
| 保障項目 | 歩くとおトク保険 | あるく保険 | 総合医療共済 |
|---|---|---|---|
| 引受保険会社 | justInCase | 東京海上日動あんしん生命 | 全労済 |
| アプリのダウンード要否 | 要 | 要 | 不要 |
| 加入可能年齢 | 満18歳～満74歳 | 満20歳～満60歳 | 0歳～満70歳 |
| 保険期間 | 1年間 （自動更新） | 終身 | 5年または10年* |
| 入院保障 | 1泊以上の入院 一時金 10万円 | 【1日～4日以内】 一時金 25,000円 【5日以上の入院】 日額5,000円 | 日額5,000円 |
| 通院保障 | なし | （オプション） | 日額1,500円 |
| 死亡保障 | なし | （オプション） | 一時金50万円 |
| 手術給付金 | 三大疾病（上皮内がんを含むがん、心疾患、脳血管疾患）による手術：一時金 50万円 五大疾病（糖尿病、高血圧性疾患、肝疾患、腎疾患、膵疾患）による手術：一時金 20万円 | 手術の種類により1回につき20・10・5・2.5万円 | 【入院中】 入院共済日額×20（10万円） 【外来の時】 入院共済日額×10（5万円） |
| 健康給付金 | 1日あたりの平均歩数とBMIにより毎月の保険料から19%～52%割引 ※割引例：45歳・平均歩数1万歩の場合、毎月514円の割引 | 1,680円 ※ご契約開始から2年後に受取り ※すべての計測単位期間で目標を達成した場合の金額 | 毎年2,000円前後 ※毎年5月末に決算を行い、剰余が生じた場合 |
| 保険料 | |||
| 30歳（男性） | 1,540円 | 1,540円 | 1,170円 |
| 40歳（男性） | 1,900円 | 2,035円 | 1,670円 |
| 50歳（男性） | 2,400円 | 2,915円 | 2,865円 |
| 30歳（女性） | 2,110円 | 1,560円 | 1,455円 |
| 40歳（女性） | 2,050円 | 1,815円 | 1,635円 |
| 50歳（女性） | 2,440円 | 2,385円 | 2,115円 |
*2:手術の種類ごとに入院日額への給付倍率が異なります（例：開頭手術40倍の場合：5,000円×40=20万円を一時金として支給）
おすすめ度：★★★
justInCase｜歩くとおトク保険
入院一時金にメリット
毎月の掛金と年度末の還付金だけを比べてしまうと総合医療共済が安く感じてしまいますが、保障の手厚さと保険料割引を加味すると「歩くとおトク保険」の方が圧倒的にコスパが高くなります。入院保障の一時金10万円を入院日額に換算すると20日間分になり、重傷事故や重度の疾病ではない限りは20日間も入院することはないので一時金10万円が支給された方がメリットが大きいと言えるでしょう。また、入院時には保証金の支払や身の回り品の購入で思いがけず出費が多くなりますので、一時金での支給は非常に助かります。
上皮内がん（上皮内新生物）の手術も保障対象
腫瘍が基底膜を超えておらず転移のリスクが低い「上皮内がん（上皮内新生物）」の手術においても一時金50万円が支給されることもこの保険のおすすめポイントです。上皮内がん（上皮内新生物）については、今回比較した東京海上日動あんしん生命「あるく保険」は支払対象外、全労済「総合医療共済」では三大疾病タイプのオプションを選択した場合のみ支払対象となっています。この保険料と保険料割引で保障範囲に入ってくることは、健康増進型保険を検討中の方だけでなく、医療保険やがん保険を探している方々にも是非とも注目して欲しい内容です。
おすすめ度：★★
全労済｜総合医療共済 定期医療プラン
安くて最低限の補償を得られる
毎月の掛金が安く、入院・通院・死亡・手術一時金などが基本補償だけで全て含まれていることが特長です。「保険の内容は難しくてよく分からない」「とりあえず、安くて最低限の保障がある保険で十分」という方は、全労済の総合医療共済がおすすめです。また、遺伝的にがんや糖尿病などの疾病に罹患する可能性を感じる方は、ジャストインケース「歩くとおトク保険」と併せて加入しておけばかなり手厚い保障内容になります。
やっぱり嬉しい割り戻し金
共済の特長として、毎年度の決算を締めた後に余剰金が割り戻し金として戻ってきます。一度払った掛金が原資になっている訳ですが、毎月の保険料が割引になるよりもまとめて戻ってくる方がちょっとしたお小遣いみたいに嬉しく感じる契約者も多いようです。
おすすめ度：★
東京海上日動あんしん生命｜あるく保険
終身で加入できる
保険料や保障範囲では他の商品からは劣ってしまう結果となってしまいましたが、終身で加入できるのは東京海上日動あんしん生命「あるく保険」だけ。加入タイミングは満60歳までと他社と比べて若いうちにしか契約できませんが、年金生活時の医療費負担や年齢を重ねるごとに感じる身体的な衰えに対する不安があるので、終身（死ぬまで）で保障することは保険会社としての誠実さが伝わってくる商品と考えられます。
まとめ
今回は共済という違う切り口も含めて比較してみましたが、他保険会社の健康増進型保険やJA共済や全国共済等が提供する医療共済も比較してみてご自身に合った健康増進型保険・医療保険を見つけてください。
