日本からの海外渡航者においては、海外旅行保険に加入して出発するのは約50%と言われています。ウィズコロナ時代になり、再び海外旅行に行ける世の中においては、以前のように現地でのケガや疾病に備えるだけでなく、現地で新型コロナウイルスに感染するリスクも考慮して出国しなければなりません。
そこで、必要になるのが海外旅行保険です。多くの方はクレジットカードに海外旅行傷害保険が付帯されているから大丈夫と思い込んでいますが、カード券種によっては付帯されないことや下記に紹介するように会員規約が変更になっていることに気づかずに無保険で渡航してしまうことも。
今回の記事では、クレジットカードに付帯される海外旅行傷害保険と任意加入の海外旅行保険の補償の比較とウィズコロナ時代に求められる保険の加入証明書(付保証明書)について解説します。
クレジットカードの海外旅行傷害保険が付帯される条件
クレジットカードに付いている海外旅行傷害保険は、カード会員だからといって全員に付帯される訳ではなく、各カード会社によって付帯条件が定められています。この付帯条件は、下記の2パターンに分かれていますので海外旅行に出発する前に必ず確認しましょう。
自動付帯
言葉の通りカード会員になっていれば自動的に海外旅行傷害保険が付帯されます。クレジットカード会社が損害保険会社に会員全員分の保険料を支払うことで成り立っているため、カードの年会費が発生するゴールドカード以上やアメックス/ダイナースなどにおいて自動付帯となっている場合が多くなっています。
利用付帯
該当する海外旅行のツアー料金や往復航空券のチケット代などの旅行代金をクレジットカードで支払った場合に限り、海外旅行傷害保険が付帯されるのが利用付帯です。旅行代金は金額が大きいのでカードのポイントを貯める絶好のチャンス!逆にクレジットカードで旅行代金を決済すれば、利用付帯の場合でも海外旅行傷害保険が付帯されて、更にポイントも貯まるので良いこと尽くめです。
要注意!楽天カードが2020年10月1日以降から適用範囲が変更
日本のカード会社で取扱高No.1でポイント還元率が高くて人気の楽天カードは、利用付帯で海外旅行傷害保険が付帯されますが、これまでは旅行代金を楽天カードで払わなくても自宅から出発空港までの交通費を楽天カードで払えば保険付帯の対象になっていました。しかし、2020年10月1日以降に出発する海外旅行からは旅行代金を楽天カードで決済した場合のみ海外旅行傷害保険が付帯されるように会員規約が変更されました。これまで通り、空港までの交通費をカード払いにしておけば付帯されると認識していると、いざという時に全て自腹で支払うことになってしまうのでご注意ください。
カード付帯と任意加入の海外旅行保険を比較
楽天カードの海外旅行傷害保険とネット経由で出発当日でも簡単に加入できる海外旅行保険「t@bihoたびほ」の補償内容について比較しました。
補償項目 | 楽天カード 一般カード | t@bihoたびほ 保険料節約プラン |
---|---|---|
傷害死亡 | 2,000万円 | 1,000万円 |
疾病死亡 | なし | 1,000万円 |
傷害後遺障害 | 2,000万円 | 1,000万円 |
治療・救援費用 | 200万円 | 1,000万円 |
緊急歯科治療 | なし | 10万円 |
携行品損害 | 20万円 (免責金額3,000円) | 30万円 (自己負担額なし) |
個人賠償責任 | 2,000万円 | 1億円 |
航空機寄託手荷物遅延 | なし | 1万円 (定額払い) |
弁護士費用 | なし | 100万円 |
テロ等対応費用 | なし | 日額1万円 |
保険料 | 利用付帯 (追加の保険料なし) | 韓国・台湾3日間 990円 北米・ハワイ5日間 1,970円 ヨーロッパ7日間 2,640円 |
治療・救援費用の補償額に大きな違い
治療・救援費用は、病気やケガでの病院の治療費用や万が一入院した場合などで日本から家族等が駆け付ける救援者費用を補償するものです。北米で入院してしまうと1日あたり数十万円、集中治療室に入ることになったら1日あたり150万円~300万円もかかることは有名ですが、途上国で物価の安い地域でも重傷(重症)の場合はローカルの病院では対応できないので医療用ヘリをチャーターして大都市まで移動が必要になるなど、クレジットカードに付帯されている補償額ではカバーしきれない可能性があります。もちろん補償範囲以上にかかった費用は自己負担になるので注意が必要です。
任意加入にしかない補償項目がある
海外旅行保険「t@bihoたびほ」の場合、治療・救援費用の補償範囲に含まれない歯科治療の補償や航空会社に預けた荷物が届かない場合の補償、航空機の欠航・遅延の補償、旅行がキャンセルになってしまった場合の補償など、クレジットカード付帯の保険では提供されない補償項目があるのが特長です。
「t@bihoたびほ」ではクレジットカードで不足する治療・救援費用だけ上乗せで加入することや前述の任意加入ならではの補償項目を必要な分だけ選んで加入することができます。旅行会社や空港で加入する海外旅行保険、および、一部のネット保険では決まったプランでしか加入できないので余分な補償も付いてきてしまいますが、補償項目を自由に選べるので保険料も安く入れるのでお勧めです。
ウィズコロナ時代に必要な付保証明書
これまではヨーロッパのシェンゲン協定国内での海外旅行保険加入の義務化や留学・ワーキングホリデーのビザ取得時に保険の加入証明書(付保証明書)を保険会社に発行してもらう必要がありました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大により、各国の入国審査において現地で新型コロナウイルスに感染した場合の治療費・入院費が保険で補償されることの証明書の提出が求められることが多くなってきました。日本国内でも海外からの渡航者が治療費用を払わずに帰国してしまうことが問題になっていますが、海外の国々でも同様の事象が現地で問題になっているので新型コロナウイルスを機に旅行者の保険加入について厳しい目が向けられています。
付保証明書は、カード会社の場合は窓口に連絡してから発行後に郵送してもらうため手元に届くまで数日間を要します。その点においては、「t@bihoたびほ」はインターネット上のマイページからいつでも付保証明書をダウンロードして印刷できるため、出発当日に気が付いてもすぐに加入して空港のコンビニで付保証明書をプリントアウトして準備することも可能です。
事故の場合にカードと任意加入のどちらの窓口に連絡すればいいの?
どちらか一方の事故対応窓口に連絡して保険金請求をすれば大丈夫です。海外旅行保険や自動車保険などの損害保険の場合、被保険者の損害を補填することが目的なので、生命保険のように加入した社数の分だけ保険金が受け取れるというものではありません。また、保険会社は保険金詐欺を防止等のために保険金請求歴を共有しているので、複数加入していても1社に連絡すれば保険会社間で連携を取ってくれるので安心してください。
窓口の対応としては、任意加入する保険会社の方が世界各地にフリーダイヤルを設けているなど、スムーズに連絡できる体制が整っています。
まとめ
海外旅行の保険については、クレジットカード付帯と任意加入でそれぞれ特長があるので安心・安全な渡航になるように両方の良いところを組み合わせましょう。