海外旅行中に命の次に大切なのが『パスポート』。海外滞在中に自分の身元を証明できる唯一の証明書であり、帰国時の出国審査手続きだけでなく、ホテルのチェックインや両替、街中で警察官に提示を求められることもあるため、肌身離さず携行しておく必要があります。
しかしながら、現地でどこかに落としたり置き忘れた場合、スリ被害やバッグごと盗難されるなどのトラブルに巻き込まれてしまった場合など、パスポートをなくしてしまう可能性があります。パスポートが無ければ日本に帰国することもできません。その様な場合にもパニックにならずに対応するため、現地での対応手順をタイの首都バンコクでの事例を基にご紹介します。
【Step1】保険会社に問い合わせる
任意の海外旅行保険に加入して『携行品損害』の補償項目を付けていれば、パスポート盗難(ジェイアイ傷害火災保険の海外旅行保険は紛失・置き引きも唯一補償してくれます)の被害に遭った場合にかかる費用(渡航書発行費用、大使館への交通費等)が補償されるので、サポートセンターに連絡を入れれば現地での手続き手順を日本語で案内してくれるので便利です。また、保険会社の現地デスクを利用できれば、警察署や大使館の場所も詳しく教えてくれるのでとても便利です。
【Step2】警察署に届け出る
国内で生活している時と同じく、紛失したら紛失届、盗難被害に遭ったら被害届を出しましょう。海外のほとんどの国では、日本のように派出所や警察署が至る所に設置されてはいません。ちなみに、日本の派出所・駐在所は合計で約15,000か所に設置されており、その数はローソンの国内店舗数14,444店舗(2021年2月末現在)とほぼ同数です。スマホなどからインターネットに接続できる環境がある場合は、Google Mapのナビゲーション機能を利用して警察署に向かいましょう。
警察署では日本語を話せる警察官はほぼ皆無、場合によっては英語も通じないこともあるので、身振り手振りでなんとか必死に状況を伝えましょう。手続きは、複写で印刷された届出書に状況を記入してくれますので、必要事項の確認が完了したら証明用の警察スタンプを押した届出控えを渡してくれます。
【Step3】日本大使館に向かう
警察署での届出が完了したら、次に日本大使館に向かいましょう。大使館では、帰国時のパスポート代わりに使用する『渡航書』の発給申請とパスポート紛失届の手続きを行います。大使館の受付は、パスポート関連手続きとビザ発行手続きで窓口が分かれているので分かりやすくなっています。
また、申請の際には、パスポート写真と同サイズの写真が必要になりますが、大使館の正面玄関付近に証明書を撮影してくれる写真屋が必ずと言っていいくらい店を構えているので安心してください。なお、写真代は割高なので、パスポート取得時の証明写真が余っていたら、財布などに入れて持っていれば無駄な出費が節約できます。
渡航書が発給されるまでの時間は、記入不備がなく空いていれば最短で3時間ほど、通常でも半日ほど(午後の申請なら翌日午前)で発行されます。
まとめ
いかがでしたか?海外旅行中にパスポートをなくしてしまうと、特に複数の国を周遊する予定だった場合には諦めて日本に帰国しなければならないので、航空券のキャンセルや帰国便の予約などで余計な出費もかかり悲しい思い出になってしまいます。海外旅行中は肌身離さず持ち歩くだけでなく、バッグ等の盗難被害に備えて荷物を分けておくとリスクも低減できるでしょう。