大学全入時代と言われ、私立大学では定員割れが47.5%(2022年度入試実績)とな選ばなければどこかの大学には進学できる環境となっています。一方で、大学側も学生数の増加に向けて学部の新設も行われており、近年の18歳未満人口の減少は続いているため今後も定員割れの大学が更に増加することが予想されます。
このような環境の中で、将来やりたいことも決まってないし、かと言って勉強を必死に頑張る気持ちにもなれない、でも大学には取りあえず進学しようとモヤモヤ考えてる高校生は多いのではないでしょうか?
この記事では、このようなモヤモヤした高校生に理系進学するメリットを伝えて、進路の決定の一助になれば嬉しいです。
なぜ理系?
私はMARCHの文学部卒で転職エージェントを約4年間経験しました。その間、国内大手製造業とその関連会社を中心に担当していましたが、エンジニア採用は経験と人間性に問題がなければ大学名に関係なく採用されていました。文系の事務・スタッフ系採用では簡単には入れないような企業です。それを目の当たりにして、そこそこ勉強も頑張ってMARCHに入り、体育会の部活もやりつつ悪くない成績を修めたのに、採用市場ではFラン大学理系卒に負けてしまう。過去の自分を否定されたダメージをかなり引きずりました。
もはや昔のようにいい大学を卒業すれば安泰という時代ではありません。結局のところ、需要と供給でなりたっているので、有象無象にいる文系学生よりも、市場で少ない理系の方が需要があり、かつ、潰しもきくというのが現実です。というわけで、Fラン大学に進学するなら理系に進むのが得策だと個人的には考えています。
今回紹介するのは「薬学部」
薬学部はどこの大学も入試が難しいという先入観を持っていませんか?実は薬学部も偏差値や大学共通テストの得点率が高くない大学がたくさんあります。ただ、入りやすい大学とはいえ将来は医療に関わる重要な職業に就くことが目的のため、入学後にしっかりと勉強することが求められます。入学偏差値が低い大学ほど留年率が高いという相関性も文部科学省の発表データから判明しています。なので、大学入学後から心機一転がんばろうという覚悟のある方にお勧めします。
偏差値45以下のおすすめ薬学部
今回は、以下の条件に全て合致した大学をピックアップしました。
- 偏差値45以下
- 薬剤師合格率50%以上(第107回実績・2022年実施)
- 入学者の卒業率50%以上(2015年4月入学者実績)
創薬の研究職に就きたいという学生は上位校で研究しないと見込めないので、あくまでも目標は薬剤師の国家試験合格。これらを指標とすることで、入学では広く受け入れ、その学生を6年間でしっかりと育てて試験合格までサポートできていることがデータか読み取れると考えてこれら3点を選定基準にしました。
- ストレート卒業率:2015年4月入学者が留年せずに卒業した割合
- ストレート合格率:留年せずに卒業する学生が6年次に薬剤師国家試験を受験した際の合格率
北海道・東北地方
大学名 | 偏差値 | 共通テスト利用 | 薬剤師合格率 (全体/第107回) | ストレート 卒業率 | ストレート 合格率 |
北海道医療大学 | 40.0 | 前期A:57% 前期B:47% | 67.14% | 57.7% | 50.9% |
北海道科学大学 | 42.5 | 59% | 70.89% | 66.8% | 58.8% |
東北医科薬科大学 | 37.5 | 59% | 70.62% | 69.6% | 58.5% |
関東甲信越地方
大学名 | 偏差値 | 共通テスト利用 | 薬剤師合格率 (全体/第107回) | ストレート 卒業率 | ストレート 合格率 |
新潟薬科大学 | 37.5 | 40% | 57.08% | 58.7% | 43.5% |
高崎健康福祉大学 | 37.5 | 46% | 67.44% | 63.3% | 56.1% |
帝京平成大学 | 42.5 | 55% | 52.39% | 65.3% | 51.3% |
城西大学 | 40.0 | 1期前期 40% 1期後期 42% A併用型 37% | 62.06% | 50.0% | 41.7% |
帝京大学 | 42.5 | 65% | 74.33% | 64.2% | 54.0% |
国際医療福祉大学 | 45.0 | 63% | 84.88% | 64.0% | 63.5% |
東海・近畿地方
大学名 | 偏差値 | 共通テスト利用 | 薬剤師国家試験 (全体/第107回) | ストレート 合格率 | ストレート 卒業率 |
愛知学院大学 | 45.0 | 1期3科目 57% 1期4科目 53% | 74.14% | 57.8% | 51.0% |
金城学院大学 | 前期3科目 40.0 英語外部利用 42.5 | 前期 46% 共通テスト+共テ利用 54% | 67.51% | 74.1% | 63.6% |
鈴鹿医療科学大学 | 40.0 | 前期3科目 52% 前期2科目 55% | 57.05% | 72.3% | 59.8% |
大阪大谷大学 | 40.0 | 63% | 53.27% | 67.8% | 53.9% |
摂南大学 | 45.0 | 前期3科目 53% 前期4科目 51% 中期3科目 53% 前期3プラスC 65% 前期2プラスC 65% | 78.19% | 74.8% | 67.4% |
中四国地方
大学名 | 偏差値 | 共通テスト利用 | 薬剤師国家試験 (全体/第107回) | ストレート 合格率 | ストレート 卒業率 |
福山大学 | 45.0 | 55% | 57.14% | 77.9% | 52.6% |
広島国際大学 | 42.5 | 共テ利用 45% 共通テスト+共テ 53% | 54.79% | 64.8% | 47.7% |
九州地方
大学名 | 偏差値 | 共通テスト利用 | 薬剤師国家試験 (全体/第107回) | ストレート 合格率 | ストレート 卒業率 |
長崎国際大学 | 40.0 | 41% | 63.10% | 64.1% | 55.0% |
崇城大学 | 45.0 | 53% | 78.75% | 72.9% | 67.4% |
まとめ
今回は薬学部を取り上げましたが、薬剤師の将来性やキャリアプランも調べて、自分の適正ややりたい気持ちが湧いてきたかをしっかりと確認してから進路の一つとして考えて貰えると嬉しいです。ただ、6年間と長く、学費も理工系学部よりも高いので、この点だけは進路決定の際に注意してください。
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