知って防災!豪雨による水災から身を守る

知って防災!豪雨による水災から身を守る

近年、地球温暖化や気候変動の影響かは不明ですが、毎年のように史上最大と呼ばれる台風や豪雨に見舞われることが多くなりました。その結果、過去の自然災害を想定して作られた堤防や用水路の許容範囲を超えてしまい、浸水被害や土砂災害が発生してしまっています。

この記事では、豪雨災害への対策と保険の補償範囲をご紹介します。

どんな被害が発生するのか?

河川の氾濫・土砂災害による被害

台風や豪雨が発生すると、河川の氾濫やがけ崩れ・地すべり・土石流などの土砂災害が起こることがあり、最悪の場合、家屋が流出あるいは土砂に埋没し、死傷者が出ることもあります。

日常生活が奪われる

家屋が浸水してしまった場合、フローリング・畳・家具・電気製品・衣類・寝具などが使用できなくなります。なお、水に浸かっていない場合でも壁や床下などの見えない部分の建材が水を吸収してカビが発生する可能性があります。

また、家中に河川や下水から流れ出た大量の泥が堆積し、悪臭被害だけでなく細菌による感染症の危険性も高まるので注意が必要です。

(参考)土砂崩れの前兆

丘の斜面を利用して住宅地として整備された地域や裏山があるような場所では、豪雨によって地盤が緩み土砂崩れや地滑りが起こることがあります。発生前には必ず前兆があるので、普段にはない下記のような現象があれば早めに避難しましょう。

  • 地鳴りがする
  • 木の根が切れるような音がする
  • 斜面に亀裂が入る
  • 小石が落ちてくる
  • 不自然に水が湧き出てきた

身を守るために大切なこと

情報収集

降雨状況や河川の水位上昇の見通しを確認し、危険性を把握することです。テレビの情報だけでは居住地域の最新情報を収集できないため、国土交通省や自治体がホームページを通じて河川の水位情報や定点カメラの情報をリアルタイムに発信しているので、これらを活用して災害に備えましょう。

身の危険を感じたら

自治体からの「避難準備・高齢者等準備開始」などの避難指示を待っていると逃げ遅れる可能性があります。

河川の氾濫によって浸水が始まった場合、水の抵抗で玄関ドアが開かない、道路が水没していて歩けないなど、身動きが取れなくなってしまう危険性があります。また、高齢者も一緒の場合は、水の抵抗によって少しの浸水でも足を前へ運ぶことが困難になるため、水位が膝下より上になる前に早めに非難するのが得策です。また、屋外が危険と判断したら2階以上に避難しましょう。

浸水した道路の危険個所

マンホール

河川からの水が逆流して水圧でマンホールが吹き飛ぶ可能性があるので危険です。また、マンホールが外れた後も中に落ちる危険性があるので注意が必要。

堤防・用水路の近く

堤防や用水路が決壊した場合、一度に大量の水が押し寄せてくるので流される危険性があります。

屋内避難では下水の逆流に要注意!

急激な下水道内の水位上昇が原因で、トイレやお風呂の浴槽、洗濯機の排水口などから水が噴き出ることがあります。場合によっては、2階にあっても逆流することもあるようです。

対策としては、ゴミ袋などの大きめのビニール袋を活用した「水のう」を置くことで浸水被害を軽減できるようです。下記の北九州市のホームページに「水のう」の作り方が詳しく掲載されているので、是非参考にしてください。

豪雨の備え
『 水のう 』の作り方
  1. ゴミ袋などの大きめ(45リットル程度)のビニール袋を二重、三重に重ね、半分(20リットル程度)ぐらい水を入れ、口をきつく縛る。
     
  2. トイレの逆流防止には、『水のう』を便器の中に入れておく。玄関等の前に隙間なく並べると、浸水を軽減できる。

出典:北九州市ホームページ「逆流防止対策

水災による損害は火災保険の補償範囲

浸水

家が浸水してしまった場合、以下の条件を満たすと火災保険の補償項目「水災」の補償対象になります。

  • 再調達価額の30%以上の損害
  • 床上浸水もしくは地盤面から45cmを超えて浸水した場合

上記については、損害保険会社の鑑定人が実際の現場を調査して事故の査定が行われますので、自分でメジャーで測るなどの手間はありません。

最近では、保険会社の鑑定人と契約者をスマホでつないでオンライン事故査定を行い、保険金の支払いを迅速に行っている保険会社も出てきています。災害からの復旧には、現場を片付けたりする労働力に加えて、当面の生活費等のお金も必要になるので、このような試みは非常にありがたいですね。

土砂崩れ

台風の影響による大雨や豪雨などが原因で発生した土砂崩れによる建物・家財の損害も、火災保険の「水災」で保険金が支払われます。

なお、地震が原因で発生した土砂崩れについては、地震保険の対象となるので火災保険の補償対象外になります。

まとめ

近年ではマンションや高台に住んでいれば水災被害は安心という時代は過去のものになりました。この記事を読んでいただいて、防災知識と備えで命を守り、火災保険で早期に生活復旧できるように準備する一助になれたら幸いです。

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