他人事ではない爆発事故!火災保険で備えよう

他人事ではない爆発事故!火災保険で備えよう

2020年7月30日に福島県郡山市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜 郡山新さくら通り店」でガス漏れによる爆発事故が発生しました。

ガスによる爆発事故の原因は、ガス機器の整備不足や老朽化、ガス使用の不注意が多く占めています。近年では、ガス機器の性能向上によって事故危険性は低減されているとはいえ、やっぱりガス漏れや爆発事故は心配ですよね。

この記事では、爆発事故に対応する火災保険の補償内容に加え、発生した(させた)場合の対応方法をご紹介します。

ガス事故の発生状況

都市ガス

都市ガスにおける事故状況

LPガス

LPガスにおける事故状況

LPガスは、新規供給戸数は全国的に下がってきており、事故件数も1979年の年間793件をピークに現在は年間200件前後に落ち着いています。

建物や家財の補償について

ガス漏れしていることに気が付かずに電気を点けてしまい爆発させてしまった場合などに、建物や家財の損傷を補償するのは「破裂・爆発」の特約です。

一般的な火災保険であれば、基本補償である「火災」に含まれており、パンフレットやホームページ上では「火災・破裂・爆発」「火災・落雷・爆発」などのように他の補償項目と一緒になって記載されています。保険会社によっては、損害額から自己負担額を引いた金額が支払われるかたちになっていることもありますので、約款や重要事項説明書をこの機会に確認しておくことをオススメします。

火災保険で自分自身の損害に対しては保険で賄われることが分かりましたが、
周辺住戸にまで被害が及んでしまった場合にはどうすれば良いのでしょうか?

爆発事故を発生させ加害者になってしまった場合

火災が発生した場合、重大な過失がない限りは「民法第709条(不法行為による損害賠償)」については、「失火ノ責任ニ関スル法律(失火責任法)」が適用されることで賠償責任を免れます。

しかしながら、爆発事故を起こしてしまった場合は、前述の失火責任法は適用されません。

この場合は、過失の有無に関わらず、爆発事故の原因が自分にある限りは損害賠償を免れることはできません。そのため、爆発事故で周辺の方々や賃貸の場合は大家さん対する賠償については、火災保険に付帯できる「個人賠償責任補償特約」、もしくは、飲食店等を経営されている場合は別途で個人賠償責任保険に加入して備えておく必要があります。

なお、被害状況によっては、器物破損罪などの刑事事件として起訴される可能性もあります。軽く考えずにガス会社が指定するガス漏れ報知器等を設置するなど、細心の注意を払うようにしましょう。

爆発事故の被害者になった場合

前述の通り、加害者に損害賠償請求を行うことができます。

しかしながら、今回取り上げている爆発事故の場合、加害者が死亡してしまったというケースもあり得ます。この場合は、誰に対して損害賠償請求を行えばよいのでしょうか?相続においては、プラスの資産以外に、負債も相続しなければなりません。そのため、被害に遭った部分は、加害者の相続人に対して損害賠償を請求できます。

ただ、相続人は負債の方が多くなる場合にあえて相続するとは考えづらいですよね。最終的に相続人がいないという事態になった場合には、加害者が加入していた保険会社に対して保険金として損害賠償請求を行うことになります。

また、加害者家族も誰も対応してくれないということになってしまったら、最後の手段として法律の専門家である弁護士に相談することをオススメします。

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