夏が近づくにつれてニュースでも細目に水分補給して熱中症にならないようにと注意喚起されています。熱中症は、体内で熱を作る活動と放熱するバランスが崩れて、体温が著しく上昇した状態のため、水分補給によってこのバランスを整える必要があります。
最近では、下痢、嘔吐、発熱などによる脱水症状の治療に使用される経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)での効率的な水分補給を勧められることが多くなりました。保存できる市販のものを常備しておくのが最適ですが、買いに行けない場合や手元にない場合は、自宅で簡単に手作りできるのでレシピをご紹介します。
経口補水液のレシピ
材料
- 水:1リットル
- 砂糖:30~40g(スティックシュガーを使うと調整しやすいですよ)
- 塩:3グラム(小さじ 1/2程度)
- その他:レモン汁なども入れると飲みやすくなります
大塚製薬「OS-1」の原材料と比較
原材料名:ブドウ糖(国内製造)、果糖、食塩
添加物:クエン酸(Na)リン酸Na、塩化Mg、甘味料(スクラロース)、香料
出典:大塚製薬・経口補水液OS-1ホームページより引用
なお、大塚製薬「OS-1」は100mlあたり食塩0.292gで、上記レシピとほぼ同じなので塩分が気になる方もご安心ください。
海外旅行中も活用!経口補水液レシピ
海外旅行中に身体に異変を感じたら、加入している海外旅行保険の保険会社にすぐ連絡して病院に行くようにしましょう。
でも、軽い症状だから様子を見ようという時に、現地でドラッグストアの場所が分からない場合や周囲に店舗がない場所に滞在している場合でも、砂糖と塩くらいであれば滞在中のホテルのフロントやレストランに言えば無償で貰うことができるので、いざとなったら自分で経口補水液を作るのが得策です。
ちなみに、海外では大塚製薬「OS-1」のようにドリンクタイプで経口補水液が販売されていることは非常に稀です。海外のドラッグストアで販売されているのは、下の写真のように顆粒やタブレットで、ミネラルウォーターに溶かして飲むものが一般的です。
海外旅行中の下痢
海外旅行中は、慣れない食事や水、細菌等に感染することで下痢の症状を発症する方が多く、「旅行者下痢症」と呼ばれています。下痢の場合、たくさんのお通じと一緒に水分も体外に出してしまうため脱水症状を起こしやすくなります。また、フライト等の疲れから軽い発熱を起こす旅行者も多くいますので、これらの場合にも水分補給に経口補水液を摂取するようにしましょう。
海外旅行中の発熱
発熱時にも発汗による脱水症状を起こしやすくなりますので、水分補給に経口補水液を飲みましょう。数年前に日本に蚊が媒介する「デング熱」の流行が懸念され、感染経路だった代々木公園を消毒しているニュース映像は記憶に新しいと思います。しかし、「デング熱」もフィリピンなどの東南アジアに行くと、日本のインフルエンザと同じように一般的な感染症として病院で扱われています。デング熱は特効薬がないので、発熱・倦怠感・めまいなどの症状に対して対処療法を行うことになりますので、このような場合は現地の病院でも経口補水液を処方されますが、なくなった場合に備えて自分でも作れるようにレシピを覚えておくことをオススメします。
まとめ
経口補水液は、ドラッグストアで500mlペットボトルが200円程度で販売されていてポカリスエットなどのスポーツドリンクより1本の単価が高いですよね。でも、自分で作るとコストはほぼかかりません。自分が体調を崩した時以外にも、ご家族や大切な人が体調不良の場合に、自家製経口補水液を作ってみてはいかがでしょうか。