仕事や勉強でやるべきことがあるのに、なかなかやる気が起きないことって結構ありますよね。
人間の「やる気」は、脳の側坐核から分泌される脳内物質「ドーパミン」の分泌が関係していることが科学的に立証されています。つまり、このドーパミンの分泌を自分でコントロールできれば、自分でやる気スイッチを押してセルフスターターになれるということになります。
ドーパミン生成に必要な栄養素
ドーパミンの原料になるのは「たんぱく質」です。たんぱく質に含まれているアミノ酸のうち、フェニルアラニンとチロシンが合成されてドーパミンが作られます。たんぱく質は牛乳やチーズなどの乳製品に加えて、肉・魚・大豆など、皆さんも普段の食事から豊富に摂取していると思いますので、たんぱく質を多く含む食べ物は割愛しますね。
せっかくたんぱく質が多い食材を食べても、体内に効率的に吸収されなくては意味がありません。一緒に食べてたんぱく質の吸収を促す成分は、「ビタミンB6」と「マグネシウム」です。これらを普段の食事に加えて、ドーパミンの原料であるたんぱく質の吸収を補いましょう。
ビタミンB6
たんぱく質の代謝に必要な成分で、たんぱく質からエネルギーを生成したり、筋肉や血液を作る働きも担っています。また、補酵素として炭水化物や脂質の代謝やホルモンの調節でも働いているので、普段から摂取を心がけたい成分ですね。
食物 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
唐辛子 | 3.81mg |
米ぬか | 3.27mg |
にんにく | 2.32mg |
バジル | 1.75mg |
パセリ | 1.47mg |
小麦胚芽 | 1.24mg |
ピスタチオ | 1.22mg |
こんにゃく | 1.20mg |
バナナ | 1.04mg |
生姜 | 1.03mg |
焼肉の付け合わせでにんにく、バナナシェイクなど、普段から何気なく一緒に食べている組み合わせも理にかなっているということですね。
マグネシウム
五大栄養素の中の無機質に分類されるミネラルです。マグネシウムは、300種以上の酵素反応に関わっていると言われており、たんぱく質の合成だけでなく、神経伝達系や心機能、血圧調整などでも働いています。
体内の50~60%はリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着しているため、特に女性にとっては骨粗鬆症の予防でも積極的に摂取したい成分です。
食物 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
あおさ | 3,200mg |
青海苔 | 1,400mg |
乾燥わかめ | 1,100mg |
てんぐさ | 1,100mg |
米ぬか | 850mg |
バジル | 760mg |
刻み昆布 | 720mg |
ひじき | 660mg |
かぼちゃ | 530mg |
ココア | 440mg |
しっかりとドーパミンを生成できる体内環境を整えたら、次はドーパミンを分泌させるための行動のご紹介です。
ドーパミンを分泌させるための行動
自分に報酬を与える(ニンジンをぶら下げる)
ドーパミンは行動している時に分泌されることが分かっているので、まずは何事も始めてみるのが肝心です。その際に、いきなり高い目標をかかげると三日坊主になってしまう可能性が高くなるので、まずは小さな目標を立てて、「これが出来たら●●を買おう」「アイスを食べよう」など、自分に報酬を与えていきます。人間は目標を達成したり褒められたりすると俄然やる気が増す動物なので、毎日簡単な目標を立てて、1つずつクリアしていくことで、自然にスイッチが入る習慣を身につけましょう。
ワクワクしているとドーパミンが分泌される
日常生活の中で「ワクワク」した感情を抱くことでもドーパミンが分泌されます。ブログページやYoutubeなどでもたくさんの写真や動画が共有されているので、自分の趣味や勉強に関して新しい発見を求めて検索して「ワクワク」を見つけることで、更にチャレンジしようという気持ちにさせてくれます。私自身もトレイルランニングの海外動画を見てドーパミン分泌を促しています。
瞑想する
脳科学者の方々から瞑想することでドーパミンが分泌されるとの多数の研究結果が示されています。「瞑想」という言葉からはどうしてもオカルト的なものを想像してしまいますが、ヨガや仏教の修行でも用いられており、一種の呼吸法と捉えてもらえると良いと思います。呼吸を整えることは、自律神経を調節することにもなるので、ストレスの軽減効果も期待できます。
最後に
十年以上前に野球好きの先輩から野村克也さんの言葉を教えてもらいました。日々の考えや行動が少しずつ変わることで将来の生き方が変わってくるというもの。ドーパミン分泌をコントロールして、毎日1歩ずつ、自分のペースで前に進んで生活を楽しみましょう。
心が変われば態度が変わる
態度が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる
運命が変われば人生が変わる
出典:野村克也「野村ノート」