旧来型の終身雇用による就業が生活環境と合致しなくなってきた昨今、厚生労働省も副業・兼業を積極的に促進しており、Yahoo!JAPANやLINEといった新興企業だけでなく、金融機関やコンサルティング会社、大手製造業等も就業規則を改定して社員に副業・兼業を認める企業が増えてきています。
特にITエンジニアやWebデザイナーなどは、人材不足に悩まされている企業が多いので、独立というリスクは取らず、副業・兼業によって「新しいプロジェクトにチャレンジしたい」「スポット作業の業務受託で収入を増やしたい」という方は多いのではないでしょうか?
この記事では、会社員として本業を続けながら、個人事業として副業する方に向けて事前の確認ポイントと個人事業の開業届の提出方法をご紹介します。
まずは現業の就業規則を確認
所属する企業の就業規則が改定されて副業・兼業がOKになった場合でも、必ず就業規則の内容を確認しましょう。多くの企業では、以下の3点を事前に確認する目的で事前申請が必須になっていることがありますので注意が必要です。
- 現業の就業に支障がないか
- 競合他社での就業
- 本業との利益相反
個人事業として開業するメリットは?
個人事業で所得が年間20万円未満の場合は、そもそも確定申告する必要がありません。それ以上の収入がある場合は確定申告して納税義務が発生します。せっかく副業でがんばって働いた収入なので、できることならたくさん手元に残したいですよね。
確定申告は個人としてもできますが、「個人事業主」として確定申告した方が「青色申告特別控除」と「経費計上」によって支払う税金をおさえることができます。そのためには、開業から1ヶ月以内に税務署に『個人事業の開業届』の提出と、2ヶ月以内に『青色申告承認申請書』を提出しなければなりません。
経費で落とせる費用の事例
電気料金 | 事業と家庭で利用した割合で按分 |
通信費 | 通話料やインターネット通信料・プロバイダー利用料等を事業と家庭で利用した割合で按分 |
事務所費用 | 賃貸:家賃を事務所として利用している割合で按分 持家:固定資産税を事務所として利用している割合で按分 |
飲食代 | カフェ・喫茶店を仕事場として利用した場合 → 「雑費」 交際費:打ち合わせで利用した場合 → 「交際費」 |
慶弔金 |
『個人事業の開業届』の提出方法
1.自分の住所地を管轄する税務署を調べる
国税庁ホームページから検索:https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm
2.『個人事業の開業届出書』を作成する
税務署にも申請書が置いてありますが、下記の書式を再生紙に印刷したものが置いてあるだけなので、事前に電子ファイルに入力して印刷・捺印したものを持参した方が現地で記入するよりも効率的です。また、確定申告の時期に重なると窓口が混雑しているので、できる限り2月・3月は避けた方が良いでしょう。
下記の申請書を「提出用」「控え用」の合計2枚を作成します。
■個人事業の開業・廃業等届出書(国税庁HP):https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf
※神奈川県は別書式と書かれているブログやホームページも見受けられますが、2020年5月現在では税務署に設置されていた書式は上記の国税庁ホームページの書式でした。
記入例
■記入(入力)するのは次の10項目だけ
- 納税地(居住地)
- 氏名
- 生年月日
- 個人番号
- 職業
- 屋号
- 届け出区分(開業)
- 所得の種類
- 開業日
- 給与等の支払状況
3.『青色申告の承認申請書』を作成する
神奈川県の場合、開業届出書と同時に同じ窓口で『青色申告の承認申請書』もあわせて提出することができます。青色申告をしたい方は、開業の日から2ヶ月以内または、最初の申告をしようとする年の3月15日までに提出が必要です。
こちらも開業届出書と同じく「提出用」「控え用」の合計2枚を作成します。
■青色申告の承認申請書(国税庁HP):https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/10.pdf
※申請書の「1.事業所又は所得の起因となる資産及びその所在地」~「6.その他参考事項」は開業の届出書と同時提出の場合は記入不要とのこと。
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